講師の話
私自身、汚部屋→大掃除→汚部屋を
何度も繰り返してきた一人でした。
子どもの頃から「片づけられない子」だった
母親に度々キレられるほど部屋が散らかっていました。大人になってからも大きく状況は変わらず、汚部屋→大掃除→また汚部屋、というループを何度くりかえしたかわかりません。「自分には片づけの才能がない」と本気で思っていました。
憧れだけは、人一倍あった
素敵な暮らしへの憧れはずっとありました。インテリアショップに足を運び、雑誌を眺め、こだわってものを選んで買う。でも、それを素敵に生かすことができなかった。「好みのものはあるのに、なぜ部屋はこうなるんだろう」と、ずっと不思議でした。
「引っ越したら変わる」と信じ続けていた
当時の家は、細部が好みじゃなかった。「この家じゃどうせ素敵にならない。引っ越せば憧れの生活ができる」。そう思って、今の場所での暮らしを本気で考えるのを、無意識に避けていました。
子どもの進学の事情で、最短でも6年間は引っ越せないことが決まった。
その瞬間、何かが変わりました。
逃げ道がなくなった瞬間、はじめて思えたのです。
「どうせ住み続けるなら、ここで素敵な暮らしをしたい」と。
それまでの「いつか」「もし引っ越したら」という先送りが、ぱっと消えた。
これが、私にとっての本当のスタートでした。
いつまでも環境のせいにするのはやめて、
今できることに取り組んで、この現実を変えたい。
どんな場所でも、見方を変えれば理想の暮らしはできるはず。
逆に言えば、この場所でそれができなければ、
環境が変わってもできるはずがない。
― その気づきが、すべての出発点になりました
自分の趣味ではないもの、もう使わないのにとってあったもの。「捨てる」ではなく「満ちるものだけを残す」という感覚で、ひとつずつ手放した。
自分が最も過ごす場所からスタートして、一部屋ずつ理想のイメージを描いた。「すべてのものに居場所や帰る場所を決める」習慣が、空間を変えた。
お気に入りのコーナーができると、自然とそこをメンテナンスしたくなる。「イヤイヤ片づける」が「大切な場所を整える」に変わった瞬間、本当の意味で片付けることが好きに変わった。
寝室やクローゼットを後回しにしていたのには、自分を優先していないことにつながっていた。子供部屋やトイレやお風呂などの共有部分には、家族との境界線という心の問題が関係していた。空間の問題は、いつも自分の内側とつながっていた。